一枚、一枚、誠実に。

私たちは、昭和36年に洋裁工場として始まり、昭和40年から学校体育衣料メーカー「ユニチカ」とともに体操着づくりに取り組んできました。約50年間、山陰唯一の指定製造工場として、西日本を中心に全国から受注を受け、各年代に合わせた体育衣料（保育園・幼稚園、小学校、中学校）を年間約20万枚作っています。

体操着は一般衣料と違って、さまざまな動きに耐えうる強度を持たせなければならず、小さい時期から成長期の子供達まで、それぞれの生育速度を考えながら、着心地や耐久性を求めて作っています。着る人たちの姿を想像し、工夫し、安心して着てもらえる一枚を突き詰めてきました。

その技術と積み重ねてきた経験、一枚一枚にかける探究心こそ私たち北村衣縫の武器です。そこを信頼していただき、一般衣料やスポーツ用衣料のご注文をいただくことも年々増えていますし、刺繍加工やギフト用品まで幅広くお客様の声に応えたいと思っています。

「一隅を照らす　これすなわち国宝なり」。私の好きな言葉で、天台宗を開いた最澄の言葉です。今、置かれている場所で最善を尽くすこと、それが巡り巡って地域、町、社会を輝かせるという意味です。私たちにできることは、これまでも、これからも、一枚一枚、誠実に衣料と向き合っていくことです。